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「近畿地方のある場所について」

作品名近畿地方のある場所について
公開年2025
監督白石晃士
原作背筋
主な出演者菅野美穂、赤楚衛二
上演時間103分
評価2     
感想 本作は、ネット掲示板や証言記録の断片を積み重ねながら、一つの「場所」にまつわる不可解な出来事へと迫っていく、新感覚のホラー作品です
 

 
物語は、オカルトを専門に執筆するライター・千紘(菅野美穂)が、雑誌の特集企画として「近畿地方のある場所」に関する調査を依頼されるところから始まります。依頼を持ち込んだのは、編集者の小沢(赤楚衛二)。きっかけとなったのは、その場所を訪れた後に失踪した人物の存在でした

千紘と小沢は、失踪者の足取りを追う中で、同じ場所に関わった人々の証言や記録を集めていきます。そこには、奇妙に一致する体験談や、説明のつかない現象、そしてどこか現実離れした違和感が残されていました

当初は単なる怪談の一つとして扱っていた千紘でしたが、取材を重ねるうちに、それらの出来事が無関係ではないことに気づき始めます。一見バラバラに見えた情報は、やがて一つの輪郭を帯び、「その場所」にまつわる異様な構造を浮かび上がらせていきます

さらに調査が進むにつれ、千紘自身の周囲にも不可解な現象が現れ始め、小沢もまた現実と記録の境界が揺らぐ感覚に囚われていきます

真相に近づこうとするほどに深まる謎と恐怖。二人がたどり着く先にあるのは、単なる噂では片付けられない「何か」でした
 

 
本作の最大の魅力は、モキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)的な手法によって、現実とフィクションの境界を曖昧にしている点にあります。あたかも実在する記録を追体験しているかのような構成が、観る者の想像力を刺激し、じわじわとした恐怖を生み出します

また、直接的な恐怖演出に頼るのではなく、「断片の積み重ね」によって不安を増幅させていく点も特徴的です。証言や記録が少しずつ結びついていく過程そのものが恐怖となり、はっきりと説明されない余白が、観終わった後も長く心に引っかかり続けます

さらに注目したいのが、物語の中心にいる千紘の存在です。調査を進める語り手として物語を導いていく彼女ですが、後半に向かうにつれて、その立ち位置にわずかな違和感が差し込まれていきます。断片的な情報の中に紛れ込むズレが、やがて物語にもう一つの不穏さを生み出し、観る者の認識を静かに揺さぶります

本作は、現実のすぐ隣にあるかもしれない不穏さを静かに突きつけてくる、新時代のジャパニーズホラーです
 

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