作品名 | PERFECT DAYS |
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公開年 | 2023 |
監督 | ビム・ベンダース |
原作 | - |
主な出演者 | 役所広司、柄本時生、中野有紗、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和 |
上演時間 | 124分 |
評価 | 3.5 |
感想 | ドイツの名監督ビム・ベンダースが、東京・渋谷を舞台に描く、静かで繊細なドラマ。 ベンダース監督の長年の作品に通じるテーマである「人間の内面」と「日常の中の小さな揺らぎ」を掬い取る本作は、特に役所広司の演技に焦点を当てています。 物語は、渋谷の公共トイレの清掃員である平山(役所広司)のひとときの生活に密着します。 一見すると毎日同じルーチンを繰り返しているように見える平山。しかし、彼の日々は彼自身にとって小さな喜びと発見に満ちており、心の中で大きな変化が潜んでいます。 彼の楽しみは、長年聴き続けている音楽や、休日に買い求める古本の文庫本、そして木々の写真を撮ること。 ある日、思いがけない再会をきっかけに、彼の過去に光が差し込む瞬間が訪れます。 平穏であった日常が少しずつ変化し、彼がどんな過去を抱えてきたのか、そしてその過去が今の彼の中でどう生きているのかが浮かび上がります。 ビム・ベンダースは、世界的な建築家やクリエイターが手掛けた東京・渋谷区内17カ所の公共トイレの改修プロジェクト「THE TOKYO TOILET」に賛同し、その新たな空間を舞台に、本作を撮影しました。 ストーリーとして派手な展開をありませんが、むしろ静かな展開が「生きる力」を強調するものになっています。 役所広司は、淡々とした日常を送りながらも、心の中でさまざまな思いを抱える平山を見事に演じています。 何気ない仕草や表情に深さが込められており、観客は彼の微細な変化を感じ取ることができます。 役所は、この演技が評価され、カンヌ国際映画祭では男優賞を受賞しました。日本人俳優としては、柳楽優弥以来19年ぶりの受賞でした。 ロケ地 江東天祖神社 電気湯 桜橋 浅草やきそば 福ちゃん 地球堂書店 |