作品名 | ドライブ・マイ・カー |
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公開年 | 2021 |
監督 | 濱口竜介 |
原作 | 村上春樹 |
主な出演者 | 西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、パク・ユリム、岡田将生 |
上演時間 | 179分 |
評価 | 3.5 |
感想 | 本作は、心の奥深くで何かを揺さぶられるような、静かな冒険のような作品です 村上春樹の短編小説から生まれたこの映画は、言葉と無言の間に潜む深い感情を紡ぎ出し、観る者に感動を与えます   舞台俳優の家福悠介(西島秀俊)は、脚本家の妻・音(霧島れいか)との幸せな日々を送っていたが、妻はある秘密を残して亡くなります   2年後、喪失感を抱えながらも新たな演劇プロジェクトのため広島へ向かう家福   そこで専属ドライバー・みさき(三浦透子)と出会い、彼女との時間を通じて心の中で封じ込めていた感情に向き合い始めます   車という密室で繰り広げられる会話と沈黙の交錯は、まるで一つの舞台を観ているような感覚に包まれます   言葉がなくても十分に語られ、視線と沈黙の中で人物の心情がどんどん鮮明に浮かび上がってきます この映画を特にユニークなものにしているのは、観る側に問いを投げかける力を持っている点です 人はどれほど他者と深く向き合い、理解し合うことができるのか?そして、愛する人を失った後でも、何かを「知る」ことで新たに生きる力を見つけられるのか? 物理的に移動する車という空間が、感情的な旅を象徴するかのように、物語は進みます カンヌ映画祭での脚本賞やアカデミー賞のノミネートなど、多くの栄光を浴びた本作ですが、観賞後に感じるのは、ただの評価や受賞にとどまらない、心に深く残る余韻です 西島秀俊の演技力はもちろん、三浦透子が演じるみさきの静けさも、この映画のキーポイント。その抑制的な表現こそが、物語の中で最も響く「言葉」になっています ロケ地 広島国際会議場 広島市環境局中工場 御手洗町並み保存地区 海田大橋 |