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「せかいのおきく」

作品名せかいのおきく
公開年2023
監督阪本順治
原作
主な出演者黒木華、寛一郎、池松壮亮、眞木蔵人、佐藤浩市、石橋蓮司
上演時間89分
評価3     
感想 阪本順治監督が手掛けた映画「せかいのおきく」は、江戸末期の貧しい時代を背景に、言葉を失った武家育ちの娘・おきく(黒木華)と、最下層の仕事に従事する中次(寛一郎)と矢亮(池松壮亮)が織りなす人情劇を描いた作品です
 

 
あらすじ
武家の娘として育ちながらも、父(佐藤浩市)と共に貧乏長屋で質素な生活を送るおきく。寺子屋で子どもたちに読み書きを教える日々の中、ある雨の日、厠のひさしの下で雨宿りをしていた紙屑拾いの中次と下肥買いの矢亮と出会います。つらい現実にくじけそうになりながらも、心を通わせることを諦めない若者たちの姿が描かれています。
しかし、ある悲惨な事件に巻き込まれたおきくは、喉を切られて声を失ってしまいます。言葉を失った彼女が懸命に気持ちを伝えようとする姿は、観る者の胸を打ちます
 

 
モノクローム映像の美しさ
全編モノクロで撮影された本作は、墨絵のように美しい映像が特徴です。笠松則通の撮影が生み出す凛とした映像が、音を際立たせ、画面に吸い込まれるような感覚に包まれます。阪本監督は、スタンダードの画角、モノクロームの映像に最小限の色味を添えると決め、独特な佇まいが宿る作品に仕上げました

黒木華の演技力
主演の黒木華は、声を失ったおきくを見事に演じています。セリフが無くなる中盤からは、豊かな身体表現と繊細な感情表現で、言葉以上のものを観客に伝えています。黒木自身も、どんな身ぶりをすれば相手に伝わるのか神経を使ったと語っています

江戸時代の循環型社会の描写
本作では、江戸時代の循環型社会が描かれています。矢亮の商売である「下肥買い」は、長屋にある共同の厠に溜まった大量の糞尿を買い取り、農村に肥料として売却する仕事です。このような再利用の文化が、現代のサステナビリティと通じるものがあり、興味深い視点を提供しています
 

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ロケ地
五十河の里「民家苑」農楽堂
大覚寺