作品名 | ファミリア |
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公開年 | 2023 |
監督 | 成島出 |
原作 | - |
主な出演者 | 役所広司、吉沢亮、サガエルカス、室井滋、松重豊、MIYAVI、佐藤浩市 |
上演時間 | 121分 |
評価 | 3 |
感想 | 映画「ファミリア」は、成島出監督が贈る感動のヒューマンドラマです。本作は、国籍や文化、境遇を超えて家族を作ろうとする人々の姿を描いています   物語は、山里でひとり孤独に暮らす陶器職人・神谷誠治(役所広司)のもとに、アルジェリアで働く息子・学(吉沢亮)が婚約者ナディアを連れて帰国するところから始まります。一方、隣町の団地で暮らす在日ブラジル人の青年・マルコス(サガエルカス)は、ひょんなきっかけから誠治と出会います。日本社会の中で孤独を抱えて生きるマルコスは、誠治の飾らない人柄に、次第に心を開いていきます 本作で主演を務める役所広司の演技は、やはり圧倒的です。無口で不器用ながらも、息子や他者への思いやりを内に秘めた陶器職人・神谷誠治という難しい役を、安定した演技力で深みのある人物像として見事に表現しています。彼の一挙手一投足から伝わる感情の機微は、やはり名優ならではのものと言えるでしょう 一方で、物語全体としては、やや“盛り込みすぎた”印象も否めません。国籍、文化、社会問題、親子の葛藤、移民の現実など、テーマはどれも重要で考えさせられるものですが、それぞれに十分な描写時間が与えられていないため、結果としてストーリーが散漫になってしまった感があります もし、家族の絆というテーマにもう少し焦点を絞り、過度な悲劇性を控えて、心温まる交流や再生の物語として描かれていれば、より感情移入しやすかったのではないかと感じました |