「バジーノイズ」

作品名バジーノイズ
公開年2024
監督風間太樹
原作むつき潤
主な出演者川西拓実、桜田ひより、井之脇海、柳俊太郎、奥野瑛太、駒井蓮
上演時間119分
評価3     
感想 映画「バジーノイズ」は、音楽と人間ドラマが織りなす青春群像劇です。音楽制作のリアルな描写、キャラクター同士の繊細な関係性、そして心に響く音楽が融合した作品です
 

 
音楽が紡ぐ物語
本作の魅力は何と言っても音楽です。主人公・清澄(川西拓実)が部屋にこもってDTMを使い、音を紡いでいく様子はとてもリアルで臨場感があります。たとえば、木の葉が擦れる自然音を取り入れながら、コード進行やメロディ、ベースが少しずつ重なり、ひとつの楽曲として完成していくプロセスが丁寧に描かれています。このシーンを通じて、「一人でも音楽を形にできる」という清澄の強い信念が伝わってきます
 

 
清澄と潮の関係性
清澄と潮(桜田ひより)の関係は、最初は唐突に感じられるかもしれませんが、物語が進むにつれてその絆の深さが明らかになります。潮は、清澄を音楽の世界へと引き込み、彼の成長を支える存在となります。しかし、潮自身もまた、清澄の成功に伴う孤独や葛藤を抱え、物語に深みを与えています

陸(柳俊太郎)の存在感
陸は、清澄の高校時代の先輩で、清澄の音楽活動の再出発に大きな影響を与える重要なキャラクターです。清澄は過去の出来事から一度音楽から距離を置いていましたが、陸との再会やセッションを通じて、再び音楽に向き合う勇気を取り戻していきます。柳俊太郎は、陸の不器用ながらも音楽に誠実に向き合う姿勢を繊細に表現しています

仲間への想いと音楽への覚悟が交差する洋介(奥野瑛太)の言葉
洋介は、陸と長年同じバンドで活動してきた仲間です。洋介は陸のことを誰よりもよく理解しています。そんな洋介が、陸の将来を案じて「別のバンドで活動した方がいい」と清澄に伝えるシーンは、表には見せない深い思いやりと友情が込められています。さらに洋介が「ずっと応援してくれている人がいるから、簡単には辞められないんだ」と語る場面。洋介の口からこぼれたこの言葉には、ミュージシャンとして生きることの責任感と、聴いてくれる人への感謝、そして音楽を続ける理由が凝縮されています。これらのシーンは、本作の中でも特に印象的な場面です
 

バジーノイズ

 
ロケ地
サニーメゾン平塚団地
みなとみらい・臨港パーク
居酒屋「鶏と魚と炭火焼き 燈」(下北沢)