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「マイホームヒーロー」

作品名マイホームヒーロー
公開年2024
監督青山貴洋
原作山川直輝
主な出演者佐々木蔵之介、齋藤飛鳥、高橋恭平、宮世琉弥、津田健次郎、木村多江、立川談春
上演時間118分
評価3     
感想 普通のサラリーマンとして平穏な日々を送っていた鳥栖哲雄(佐々木蔵之介)

しかし、娘の身に降りかかった想定外の事件が、彼を深い闇へと引きずり込みます

原作漫画が描いた「家族愛×サスペンス」の構図をそのまま劇場版という形で昇華させた本作は、「守るべき者」のために立ち上がる父の覚悟と葛藤を鮮烈に描き出しています
 

 
かつて娘を守るために、哲雄は決して明るみに出てはならない「選択」をしました

それから7年、表面上は平穏でも、鳥栖家にはいまだ「あの秘密」が影を落とし、深い溝を残していました

そんな折、封じたはずの事件の一端が思わぬ形で明るみに出てしまい、それをきっかけに、哲雄は再び危険なゲームへと巻き込まれていきます
 

 
本作の魅力は、父・哲雄が隠し続けてきた秘密と、警察官となった娘・零花(齋藤飛鳥)が直面する現実がぶつかり合うところにあります。父が家族を守るために選んだ道、その選択が「正義」なのか「罪」なのか、観る者にその境界の危うさを問いかけてきます

物語が進むにつれ、平穏であった家庭に不穏な影が忍び寄ります。追いつめられる哲雄。そんな哲雄の姿を通して、守りたい日常が崩れていく、その恐怖がじわりと胸に迫ります

その恐怖を象徴するシーンとして、哲雄と警官・安元(立川談春)が会話するシーンがあります

哲雄は、過去の事件が明るみに出ていないか不安になり、現場の様子を見に行きます。そこへ偶然現れた安元は、一見すると飄々とした態度で世間話を切り出します。そのうち、安元は、何気ない一言や視線の揺らぎから、哲雄の言動にふとした違和感を感じ取りはじめます。この雑談からじわじわ疑念が芽生えていく空気感がなんとも絶妙で、本作でも特に記憶に残るシーンとなっています

本作は、家族の絆を軸にしたヒューマンドラマが好きな方、丁寧に積み上げられるサスペンスの緊張感を味わいたい方に特におすすめの一本です
 

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