作品名 | アルプススタンドのはしの方 |
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公開年 | 2020 |
監督 | 城定秀夫 |
主な出演者 | 小野莉奈、平井亜門、西本まりん、中村守里 |
上演時間 | 75分 |
評価 | 4 |
感想 | この映画の原作はある高校の教諭によって作られた戯曲。全国大会で最優秀賞を受賞したほか、他の高校でも上演され話題になり、今回の映画化が実現した。高校野球を観戦する生徒達を描いた話だが、いっさい試合のシーンは映さず、主に四人の高校生のみに焦点を当てている。四人にはそれぞれ悩みがあり、それらが交錯して物語は進行する。会話がよく練られているし、伏線回収が素晴らしい。さらに、熱血漢の先生が時々登場するのだが、影の主役と言ってよい程、良いキャラクターで、良いセリフで、良い味を出している。 |
ストーリー
甲子園・夏の大会の1回戦、アルプススタンドのはしの方で母校の応援をしている安田あすは(小野莉奈)と田宮ひかる(西本まりん)。二人は全くの野球音痴。そこに、少し遅れて、元野球部の藤野富士夫(平井亜門)がやってきた。
俺の方が正しいよな
アルプススタンドのはしの方
安田は藤野に野球を辞めた理由を聞く。
藤野は自分に言い聞かせるように答える。
自分はピッチャーだが、今試合で投げている園田がいる限り、レギュラーになれない、それで辞めた。
すごく下手で、試合にでることなんてまずない、矢野は続けているけどな。
でも、3年間練習してもレギュラーになれないんだったら、他の事した方がマシだろう。
ロケ地 | 平塚球場 |
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所在地 | 〒254-0074 神奈川県平塚市大原1-1 総合公園内 |
アクセス | 平塚駅より徒歩30分 |
なんで俺に聞くの
宮下恵(中村守里)は成績優秀だが、人付き合いが苦手である。野球部の園田に好意を寄せている。
アルプススタンドの最後方で観戦していたが、園田のことを聞くため、藤野の座っている席に近づく。
事情を知らない田宮は、園田と吹奏楽部の久住智香(黒木ひかり)が付き合っていると言う。
驚く藤野。体調が悪くなる宮下。
しょうがないよ
安田と田宮は演劇部である。
台本を安田が書き、去年、関東大会まで進んだ。しかし、大会直前に主役の田宮がインフルエンザに罹り、出場できなかった。
田宮は今でもその事を引きずっていて、申し訳なく思い、安田に過剰な気遣いをみせる。
安田は、そんな田宮の気遣いが、逆に心の負担になっていた。
人生ってのは送りバントなんだよ
厚木修平(目次立樹)は英語教師で茶道部の顧問である。
熱血漢で、生徒達に何度も「大きな声で応援しろ」と声を枯らして言っている。
しかし、見た目と違い、細やかな心を持つ厚木は藤野ら四人が抱える悩みを理解し、事あるごとに励ましの言葉をかける。
がんばれ~、園田くん
最終回
四人は、この試合中に起きた出来事や会話を通して、各々が持つわだかまりが解け、しだいに大きな声で応援するようになる。
ランナーが出た。
次のバッターは矢野。
あっ、次出てくるよ。いよいよだね
時は流れ、アルプススタンドのはしの方。
社会人になった四人はプロ野球観戦に来ている。
今日はプロ野球選手になった同級生のデビュー戦である。
バッターボックスに向かう選手。
場内アナウンスが流れる。