「イン・ザ・ヒーロー」

作品名イン・ザ・ヒーロー
公開年2014
監督武正晴
原作
主な出演者唐沢寿明、福士蒼汰、黒谷友香、寺島進、和久井映見
上演時間124分
評価3     
感想映画やドラマなどで、スーツや着ぐるみを着てアクションを行う「スーツアクター」に焦点を当てた作品である。

スーツアクター歴25年の主人公・本城渉を演じるのは唐沢寿明。唐沢自身も昔「仮面ライダー」などでスーツアクターを務めた経験があるそうで、アクション満載の本作品に出演するため、肉体改造を図り、万全を期したとか。その成果か、作中で披露されるブルースリーばりの身のこなしはキレキレで素晴らしい。

本城は関係者に一目置かれる存在であったが、内心は、スーツアクターではなく、顔出しして演じたいという気持ちで一杯であった。そんな裏方の悲哀が心に染みる映画である。

同じような「裏方の悲哀」を描いた映画として、1984年公開の「蒲田行進曲」が頭に浮かぶ。出演者は松坂慶子、風間杜夫、平田満など。こちらは、時代劇で切られ役を演じる大部屋俳優を描いた作品で、最大の見せ場は「階段落ち」であった。10mの高さがある大階段の上で切られ、そのまま転げ落ちるという演技で、一歩間違えば大怪我につながる。そんな「階段落ち」に必死の覚悟で挑むシーンが印象深く描かれている。

この「蒲田行進曲」へのオマージュであろうか、「イン・ザ・ヒーロー」にも「階段落ち」によく似た場面設定があるので、「蒲田行進曲」と見比べてほしい。

本城の元妻・元村凛子役で和久井映見が出演している。唐沢寿明と和久井映見が共演したドラマを調べてみたところ、1994年にフジテレビ系列で放送された「妹よ」、そして2009年に「フジテレビ開局50周年記念ドラマ」として放送された山崎豊子原作の「不毛地帯」があった。「妹よ」では恋人役、「不毛地帯」では夫婦役を演じた。本作も息の合った掛け合いが見られる。

 

 

スーツアクター達の練習場所

ロケ地神鳥前川神社
所在地〒227-0054
神奈川県横浜市青葉区しらとり台61-12

撮影シーン

ロケ地東映大泉撮影所
所在地〒178-0063
東京都練馬区東大泉2-34-5