「サイレント・トーキョー」

作品名サイレント・トーキョー
公開年2020
監督波多野貴文
原作秦建日子
主な出演者佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也、広瀬アリス、勝地涼、加弥乃
上演時間99分
評価3.5     
感想原作者の秦建日子(はたたけひこ)は小説家、劇作家、演出家、脚本家、映画監督など様々な分野で、その才能を発揮している。小説家としては2004年に「推理小説」でデビュー。これが「アンフェア」のタイトル、篠原涼子の主演でTVドラマ化、さらに映画化された。

本作品は、秦がジョン・レノンとオノ・ヨーコの楽曲「Happy Xmas(War Is Over)」から発想を得て執筆された作品(書籍名:サイレント・トーキョー And so this is Xmas)である。

クリスマスイブの東京。恵比寿のショッピングモールで仕掛けられた爆弾による爆発騒ぎが起きる。さらに、犯人から、次のターゲットは渋谷のハチ公前付近だとの犯行予告が出される。

渋谷警察署の世田(西島秀俊)と泉(勝治涼)は爆発を未然に防止するためハチ公前に向かうが、現場は爆発の瞬間を撮影しようとする野次馬などで身動きが取れない状態になっていた。

犯人を特定できないまま時間が過ぎ、犯行予告の時刻を迎える。しかし辺りは静寂に包まれたまま何も起こらない。緊張の面持ちであった人々は安堵し、あちらこちらでイブを楽しむ歓声が再び上がり始める、が、その時。。。

この映画は、一見、愉快犯の仕業のように思える犯行が、実はそうではなく、犯人が最後まで分からない二転三転するストーリーが見どころである。

また、渋谷のスクランブル交差点を忠実に再現したオープンセットは圧巻の一言で、もうどこから見ても本物である。栃木県の足利競馬場跡地の一部を利用し、総工費3億円をかけて製作されたそうで、そこで1日最大1000人を超えるエキストラを集めて撮影されたド迫力の映像はぜひ観てほしい。

さらに、本作のキーパーソンを演じた中村倫也の何か思いつめたような影のある演技は素晴らしい。以前、中村倫也が主演の「水曜日が消えた」(2020年公開)を観たが、曜日ごとに異なる7人の人格が現れる青年役を見事に演じていた。今後も出演作には注目である。


 

 

恵比寿のショッピングモール

ロケ地大森ベルポート
所在地〒140-0013
東京都品川区南大井6丁目26-2