「まともじゃないのは君も一緒」

ストーリー

数学しか頭になくズレている予備校講師・大野康臣（成田凌）。大人の恋愛に憧れる生徒・秋本香住（清原果耶）。会話がかみ合わず言い争いばかりしているが、香住の片思いをきっかけに、二人の微妙な協力関係が始まる。

じゃ、授業始めようか

大野はマンツーマンで香住を教えている。授業を始める前、香住は恋愛話をするが、いつものように話がかみ合わない。

イラついた香住は大野に向かって言う。

香住：顔もスタイルもいいのに、もったいないね

大野：もったいない？

香住：中身がまともだったら、ぜったい彼女できると思う

大野：まとも？

香住：普通の会話ができれば

大野：普通？

香住：うるさいなぁ！

そんなことも分かんなきゃ、結婚できないよ

講演会場

香住はイケメンの実業家・宮本功（小泉孝太郎）に憧れている。

ある日、講演会場の外で待っていた香住は宮本に声をかける。

香住：宮本さんが書かれた本、全部読んでます

宮本の考えに共感していることをアピールし、連絡先が書かれたメモを渡す。

そのとき、宮本の婚約者・戸川美奈子（泉里香）が近寄ってきた。

予備校

宮本の婚約者の存在が気になる香住は、大野に当たり散らす。

香住：先生が普通の人になりたかったら、今から訓練してもあと10年かかるよ

大野：そんなに

落ち込む大野

ちょっと言い過ぎたと思った香住はご飯を一緒に食べに行くことにし、さらにもう1軒付き合ってほしいと頼む。

ホテルのバー

香住：あの人達見て

少し離れた席に宮本と美奈子が座っていた。

香住：彼女は満足していると思う？

大野：この店に満足しているかどうか？

香住：今電話しに行った男に満足しているかどうか？その男との結婚にも！

大野：そんなこと分かんないよ

香住：だめだねぇ、そんなことも分かんなきゃ、結婚できないよ

香住：まずあの人で練習してみたら？女の人とうまく付き合えるようになる練習

海老は分かりますよ

天ぷら屋

美奈子は父と宮本と3人で食事をしていたが、父と宮本はビジネスの話で盛り上がり途中で別の店に行ってしまった。

香住は大野に偶然を装って美奈子がいるてんぷら屋に行くように勧める。

自分は店の外で大野のスマホを通して二人の会話を聞くことにした。

美奈子の隣の席に座る大野

スマホを見ながら、香住は悪意のある表情で「失敗しろ、失敗しろ、聞き返せ」と独り言を言う。

出される料理はどれも大野にとって初めて食べるものばかりであった。

とんちんかんな会話が続く。店の外で喜ぶ香住。

しかし、美奈子は大野のズレたところに興味を示し、予想に反してうち解けた雰囲気になる。

店を出て歩く二人。追いかける香住。

別れづらそうに佇む二人を見て、思わず。。。

一番身近な人を大事にした方がいいですよ

宮本は香住に連絡して浮気しようとする。

宮本の薄っぺらさに幻滅した香住はその場を去る。

講演会場

講演の最後に宮本が質問の時間を設けたとき、香住は手を上げ、マイクをとる。

もういいよ、普通は

大野は、数学で行き詰まったとき、近くの森へ行き、森の音を聴く。

それが唯一の趣味。

香住：私も森の音を聞いてみたい

森の中を並んで歩く二人。

香住：先生は普通になりたい？

大野：もういいよ、普通は