映画のロケ地・どこロケ!

映画の評価、見どころ、ロケ地情報を紹介します
「アフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています」

「かくしごと」

作品名かくしごと
公開年2024
監督関根光才
原作北國浩二
主な出演者杏、中須翔真、佐津川愛美、安藤政信、奥田瑛二
上演時間128分
評価3     
見どころ 映画「かくしごと」は、一見すると静かな家族ドラマ。しかしその中には「記憶」「秘密」「親子の絆」といった深いテーマが折り重なり、観る者の心にじんわりと余韻を残します

特にラストシーンに込められた”ある一言”は、本作のタイトルの意味を深く掘り下げる重要なカギとなっています

本記事では、作品の魅力や俳優陣の演技、少し気になった点などを交えつつ、映画「かくしごと」を徹底レビューします
 

 
あらすじ
都会で絵本作家として暮らしていた千紗子(杏)は、認知症を患う父・孝蔵(奥田瑛二)の介護のため、長らく距離を置いていた故郷へ戻ります

父との関係は決して円満とは言えず、再会は避けて通れない過去と向き合う時間でもありました

そんなある日、千紗子は記憶を失ったひとりの少年(中須翔真)と出会います

少年の身体には、明らかに虐待の跡と思われる傷が

そのことに気づいた千紗子は、彼を守るため、自らが母親だと名乗り出てしまいます

たった一つの嘘

その嘘が、やがて大きな波紋を呼び、登場人物それぞれが心に抱えていた“かくしごと”があぶり出されていきます
 

 
「かくしごと」の意味とは?
「かくしごと」というタイトルは、単に“秘密”という意味だけでなく、「誰かのために黙って抱え続ける想い」というニュアンスが込められています

それがもっとも強く伝わるのがラストシーン

少年が発した一言は、物語の核にあった“隠された真実”を鮮やかに浮かび上がらせ、観る者の心に衝撃と深い感動を残します

奥田瑛二の変貌ぶりに驚愕
奥田瑛二の役作りには脱帽です。初登場シーンでは、誰だかすぐには分からないほどの風貌と所作に「本当に奥田瑛二?」と疑ってしまうほど

認知症の進行を描く難しい役どころを、過剰な演出に頼らず、あくまで自然体で演じきった彼の存在感は圧巻でした

特に、時間の感覚が曖昧になっていく描写や、ふとした瞬間に見せる正気の表情。こうした繊細な表現が、観る者に深いリアリティを与え、登場人物の「過去」と「現在」が交錯する物語の中で、非常に重要な役割を果たしています

設定に感じた違和感
主人公が少年と暮らし始めるというストーリーは、本作の軸になる部分ではあるものの、現実的には少し飛躍しているように感じられ、違和感が残りました

ただし、「家族とは何か」というテーマを強く伝えるため、リアルさよりも、気持ちやメッセージを大切にした作りとしたのかもしれません
 

かくしごと

 
映画「かくしごと」はこんな人におすすめ
本作は、心にじんわり残る“静かな感動”を求めている人、「家族とは何か」に向き合いたい人、社会問題に触れたヒューマンドラマに関心のある人には、ぜひ観てほしい一作です。派手さはないけれど、心の深いところに確かに届く映画です
 
ロケ地
ニシザワ高遠食彩館
非持山公民館
小黒川渓谷
常盤橋