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「本心」

作品名本心
公開年2024
監督石井裕也
原作平野啓一郎
主な出演者池松壮亮、三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、田中泯、綾野剛、妻夫木聡、田中裕子
上演時間122分
評価3     
見どころ もし、亡くなった人にもう一度会えるとしたら、その「仮想の存在」を受け入れることができますか?

そんな近未来のテーマを扱った映画「本心」について、あらすじや見どころを分かりやすくご紹介します

あらすじ

物語は、現実とヴァーチャルが曖昧になった日本が舞台

主人公の石川朔也(池松壮亮)は、ある日突然「大事な話がある」と言い残し自ら命を絶った母・秋子(田中裕子)に、なぜ「死ななければならなかったのか」、その本心を確かめたくなります

当時の社会では、人間の外見や言動、記憶までもを仮想空間上に再現できる先端技術「VF(バーチャル・フィギュア)」が広く普及しており、人々は「もう一度会いたい誰か」と再会することが可能になっていました

朔也は、そのVFを利用し、仮想空間上に「母」を再構築する試みに参加します

VF開発者の野崎(妻夫木聡)は、仮想空間で再現される存在が現実以上のリアリティを持ちうることを示唆し、朔也は母の親友・三好(三吉彩花)に接触して、VF制作に必要な記録や記憶のデータ収集を進めます

やがて、VFとしての「母」は完成し、朔也はいつでもゴーグルを装着すれば仮想の母親と再会できるようになります

同時に三好と奇妙な同居生活を始め、他愛のない日常を取り戻してゆくかに見えますが、VFは徐々に、朔也が知ることのなかった母のもう一つの顔や、胸の奥に秘められた過去を浮かび上がらせていきます

見どころ

深淵に迫る問い:「本心とは何か」
自由死やVF、リアル・アバターといったテクノロジーの描写を通じて、「本物とは?」「本心とは?」という根源的な問いが作品全体に貫かれています

ミステリー仕立ての構成により、これらの問いに複数の視点から迫っています

リアルな近未来と社会問題の重層性
舞台は近未来、ただし描写は限りなく現在に近く、「自由死」「格差」「ロボット化」など、現代社会が抱える問題をリアルに映し出しています

特に、仮想空間で働くリアル・アバターの地位の低さは、技術進化の光と影を強調し、観る者の心に残ります

演技とキャストの化学反応
主演の池松壮亮は、不安定な青年である朔也をあえて地に足の着かない演技で体現し、その繊細な表情や佇まいを通して、物語に深みとリアリティを与えています

また、三吉彩花の、感情をあらわにせず、内面に抱える葛藤や迷いをにじませる演技は、本作の人工的な世界観の中にあって、「人間らしい」存在として際立っています


本心

本作は、一度観ただけでは語り尽くせない奥行きがあります。ぜひ、身近な人と共有し、心に残った言葉や場面を語り合ってみてください

ロケ地

成城学園 情報図書館
隅田川下流の橋袂