「スパイの妻」

作品名スパイの妻
公開年2020
監督黒沢清
原作
主な出演者蒼井優、高橋一生、東出昌大、坂東龍汰、笹野高史
上演時間115分
評価3.5     
感想 2020年6月に、NHK BS8Kで放送された蒼井優主演の同名ドラマを、新たに劇場版として再編集した作品。

「第77回ベネチア国際映画祭」で最優秀監督賞にあたる「銀獅子賞」を受賞した。

1940年、太平洋戦争開戦前夜の日本。貿易商を営む福原優作(高橋一生)は、取引先の野崎医師(笹野高史)から依頼された医薬品を入手するため、甥の竹下文雄(坂東龍汰)とともに満州へ渡る。妻の聡子(蒼井優)は、神戸の豪邸で何不自由ない生活をしながら、夫の帰りを待つ。

2週間後、優作と文雄は帰国する。2人の無事な姿を見て聡子は安堵するが、しだいに優作の言動の変化に気をもむようになる。

聡子は、優作や文雄が何かを隠していると思い、聞こうとするが、2人は何も打ち明けてくれない。しかし、ある交換条件を盾に問いただした結果、ついに優作の口から真実が語られる。

優作が満州で目にしたこと、そして、これから行おうとすることは、国家に重大な影響を与えるかもしれない事柄であった。聡子は、すべてを知ったうえで、優作の力になろうとする。

本作では、高橋一生が存在感を示している。最近では、漫画家・荒木飛呂彦による「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ作品で、NHKドラマとして2020年より放送された「岸辺露伴は動かない」に出演し話題を集めた。感情を表に出さない無表情とも言える演技が、共演者とのセリフの一瞬の間を引き立たせ、視聴者にいろいろな想像を促す。まるで、昔の田村正和のような、コメディもシリアスも出来て、独特の雰囲気を醸し出す貴重な俳優ではないかと思う。

 

 

市電での聡子と優作の会話

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