「ちょっと思い出しただけ」

作品名ちょっと思い出しただけ
公開年2022年
監督松居大悟
原作
主な出演者池松壮亮、伊藤沙莉、河合優実、成田凌、市川実和子、高岡早紀、國村隼、永瀬正敏
上演時間115分
評価5     
感想照生(池松壮亮)はダンサーの道を歩んでいたが、怪我で諦めざるを得なくなり、今は劇場で裏方の仕事を行っている。
 
ある日、タクシードライバーの葉(伊藤沙莉)は、乗客の都合で、この劇場に立ち寄ることになる。ふと気が向いて、劇場の中へ入っていくと、そこに舞台の準備をする照生の姿があった。遠目に見つめる葉。
 
照生と葉は、以前、恋人同士であった。
 

 
物語は、二人の恋人時代を、時間を遡るようにして進む。この時間を遡る描き方が、観る者に不思議な感覚を与え、別れることになる二人の切なさを強調する。
 
照生と葉の会話のテンポが良く、一つ一つのセリフが面白い。主演二人の演技が上手いのはもちろんのことながら、作り手のセンスの良さを感じる。
 
永瀬正敏が、亡くなった妻への想いから、月命日になるとよく二人で待ち合わせをした公園のベンチに座り続ける男役として出演している。物語の中で、何回か、このベンチに座る永瀬のシーンが映し出されるが、年月を経ても妻への想いが変わらない、そんな純粋な心情が伝わり心に残る。
 

 
照生と葉は、別れてから、それぞれの人生を歩んでいるが、一緒に過ごした月日は大切な思い出。
 
ラストシーンでは、主人公の前向きな気持ちをもらって、心地よい風が吹いたように感じた。
 

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ロケ地
Sutudio Andante9(東京都渋谷区)
八景島シーパラダイス(神奈川県横浜市)
高円寺ストリート(東京都杉並区)
万国橋(神奈川県横浜市)