作品名 | 大河への道 |
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公開年 | 2022 |
監督 | 中西健二 |
原作 | 立川志の輔 |
主な出演者 | 中井貴一、松山ケンイチ、北川景子、岸井ゆきの、立川志の輔、西村まさ彦、草刈正雄、橋爪功 |
上演時間 | 112分 |
評価 | 3.5 |
感想 | 江戸時代の歴史と現代の政治・文化の交錯を描いた作品である。 現代の香取市で働く池本(中井貴一)が、観光振興の一環として伊能忠敬の大河ドラマ化を提案するところから始まる。 池本の提案は千葉県知事(草刈正雄)に受け入れられ、脚本家の加藤浩造(橋爪功)が担当することになる。しかし、加藤は脚本の内容に難色を示し、伊能忠敬の死後に地図が完成するという歴史的事実に疑問を呈する。 一方、江戸時代では、伊能忠敬の死が公表されると、未完成の地図プロジェクトが中止される恐れがあるため、高橋景保(中井貴一)や彼の助手たちが伊能忠敬の死を隠し続け、地図の完成を目指す。彼らの策謀と奮闘が続く中、現代の池本は加藤から断られながらも、伊能忠敬に関する知識を深めるために再度挑戦を決意する。 本作は、歴史的な背景と現代の社会問題を巧みに織り交ぜた作品で、視覚的にもストーリー的にも非常に魅力的である。江戸時代と現代が交錯する二重構造が、物語に深みと広がりを与え、観る者を引き込む要素となっている。 中井貴一の演技は、現代の池本役と江戸時代の高橋役の両方で光っている。また、草刈正雄や北川景子、松山ケンイチもそれぞれの役柄で存在感を放ち、映画全体のバランスを保っている。 ストーリーは、歴史的な事実とフィクションが絶妙に絡み合い面白い。特に、江戸時代の伊能忠敬の死をめぐる陰謀を現代のドラマ化企画に結びつけた点が秀逸である。 映像面では、時代背景の再現が非常に丁寧で、美しいセットや衣装が素晴らしい。音楽も効果的に使われており、物語の感情的な瞬間を引き立てている。 歴史ファンにはぜひ観てほしい一作である。 ロケ地 伊能忠敬記念館 佐原駅前 琴引浜 遊海水浴場 |